超豊満体育教師ケリー 298
ケリーが戻ってきて言った。
「そんなに停まるんだ」
「ええ、この区間は急峻な山岳地帯だから迂回線を作れなかったみたいね」
「降りてみよう」
二人は手早く湯で洗い流すとバスタオル一枚のままデッキに出た。
外は大雨だった。ときどき稲光も見える。
景観駅に停車中はドアが開いてるのが鉄則だ。景色を楽しむための駅だから駅前広場はおろか人家さえない。
「それじゃ自然のシャワー浴びにいきましょ」
ケリーはそういうと仁太を伴ってホームに降りた。
凄まじい天然のシャワーが雨あられと降り注ぐ。
「冷たくもないし、熱くもない。ちょうどいい感じの水ね。気持ちいいわ」
ケリーが気持ちよさそうに言った。
確かに心地よいレインシャワーであった。
「ああ、生き返るわ」
「ち、ちょっと二人とも何してんのよ」
声のする方角を見ると列車の窓が開いて車内からメリッサがこちらを見ていた。
「見ての通り、大自然のシャワー浴びてるのよ」
「それはわかるけど、大丈夫なの?」
メリッサが心配そうに聞いた。
「大丈夫よ、ここは日本よ。イパルナじゃないんだから」
「そ、それはそうだけど……」
「メリッサも来なさいよ。とってもいい気持ちよ」
そう言いながらも仁太とケリーは気持ちよく雨浴びを続けている。少し雨脚が強くなってきたが、まだずぶ濡れというレベルではなかった。
「どうするのメリッサ、来るの、こないの」
またケリーが挑発してきた。こうなったら己に従うまでだ。
「いま行くわよ」
メリッサもすぐに服を脱いで、雨浴びの仲間になった。
雨に煙った群馬の山岳地帯の景観駅。停車している列車の明かりしかない無人のホームで、天の恵みのシャワーを三人は心行くまで楽しんでいた。
